バイアグラがペニスにだけ作用する理由

人間が身体に持っている数多くの種類の酵素のうち、PDEと言われる酵素があります。PDEにも少しずつ違った種類があり、存在している部位の違いによって分類されます。PDE酵素のうち、PDE5という酵素はペニスの陰茎動脈のみにあるPDEです。バイアグラには、このPDE5の働きを阻害する働きがあります。このため、バイアグラの成分そのものは全身に届けられますが、作用はペニスにだけ現れます。ただ、他のPDEにまったく影響がないというわけではなく、たとえばPDE3という心臓の冠動脈に存在するPDEにもごくわずかですが、作用を及ぼします。作用の程度はPDE5に及ぼすものと比較して約3000分の1ほどと弱いもので、特殊なケースを除いては、副作用はほとんどありません。

バイアグラは本人がEDであることに不満がなく、性行為をしたくないと思っている間は使用する必要がありません。専門家によると、男性側の要求だけでなく、EDになっている男性のパートナーからの要望でED治療をするようになる人が多くいることが報告されています。こうした場合に、バイアグラがセックスの万能薬のように勘違いしてクリニックを訪れるケースが少なくないと言われています。バイアグラはあくまで勃起を助ける薬です。これを飲みさえすれば、セックスしたいという性欲が湧いてくるわけではありません。また、バイアグラを飲むとセックスの快感が高まるかのように思われていることもあると言われています。バイアグラは、もっぱらペニスの勃起を妨げるPDE5の働きを阻害する薬で、快感にはまったく関係ありません。快感はその人の脳で感じるもので、バイアグラを飲んで快感の度合いが変化することはありません。なかには、あまり快感を持てなくなったと訴える人も多いことが医療関係者から報告されています。これは思い込みによる錯覚であると考えられます。バイアグラを飲むと快感が上がると思い込んで、脳に言い聞かせると、快感を得やすいと言われています。