シアリス

インターネット通販でED治療薬を購入することの危険性

インターネットを見渡すと、シアリスなどのED治療薬やそのジェネリック医薬品が数多く販売されていることに気付きます。医師の処方が必要なく、誰でも手軽に安価で購入できる方法として、近年EDに悩む人の間で人気が高まっているようです。しかし、インターネット通販でED治療薬を購入することはおすすめできません。

その大きな理由は、偽造品があまりにも蔓延していることです。ネット上で扱われているED治療薬のうち、その6割以上は偽造品であるとも言われています。素人では薬の真贋は見分けにくいものですし、なかには医療関係者が見ても区別が付きにくいものもあるようです。パッケージや錠剤の形を精巧に似せた偽造品による健康被害も実際に報告されており、厚生労働省もこうしたネット通販による偽造品について注意を喚起しています。ED治療薬の輸入代行販売業者のなかには「正規ルートによる安全な輸入代行」と謳っているところもあるようですが、だからといってその薬が本物であるかどうかは輸入している当人さえわからない場合もあります。

もし、購入した薬によって、副作用など体に変調が生じたとしても、日本の公的機関は何の補償もしてくれません。シアリスであれ他のED治療薬であれ、ネット通販での購入は避けた方が賢明でしょう。

結局、安全なED治療薬の入手法は、医療機関にて処方してもらうという方法しかありません。ED治療は自由診療なので、健康保険が適用されず医療費が高いということは否定できませんが、ネット通販で手に入れた粗悪な偽造品によって重大な健康被害を被った場合、金銭どころか命まで失いかねません。また、いくらインターネットで薬が買える時代になったとはいっても、医師の処方なく薬を服用することはやはり危険です。

以上のことから、EDを治療したいのであれば、医師の診察を受けて、正規の安全な治療薬を処方してもらうことが、最も確実で安全な方法ということになります。

シアリスのジェネリック医薬品として販売されているタダシップについて

インドのムンバイに本社を置くシプラ社が販売するタダシップは、タダラフィルを主成分とするシアリスと同じ効果のあるED治療薬です。シアリスのジェネリック医薬品として、インターネットの輸入代行サイトなどで安価で販売されているのを目にしたことのある方もおられるでしょう。このシプラ社は、インドでトップ3に入るほどの大きな製薬会社で、タダシップと同じくシアリスのジェネリック医薬品であるエレクタリスや、バイアグラのジェネリック医薬品であるシラグラやスハグラなども製造販売しています。

バイアグラはともかく、シアリスはまだ国際特許が切れていない医薬品なのにもかかわらず、ジェネリック医薬品がすでに製造販売されているわけです。その理由は、インドの特許法の基準が国際特許法と違うことにあります。そういうわけで、インド製のED治療薬のジェネリック医薬品がインターネットを介して日本でも手に入るという状況になっているわけですが、安いからと迂闊に手を出さない方が賢明でしょう。

タダシップ自体は、有効成分が同じなのでシアリスと同じ効果が期待できます。24~36時間という効果の持続時間も同じですし、副作用や併用禁忌の薬に関してもシアリスと同じなので、衛生管理が行き届いた本物であれば安全性や効果は問題ないでしょう。ただし、入手方法には多くの問題があります。日本でタダシップを手に入れるには、個人輸入かそれを代行する業者に依頼するかということになりますが、偽物が非常に多く出回っているので、手に入れたタダシップが本物かどうか素人にはわかりません。たとえ本物であったとしても、衛生状態の保証がないので、もし服用したことで体に異変が起きたとしても、日本で正規に認められた医薬品ではないため、なんの補償も受けられないことになります。

確かにジェネリック医薬品だけあって、タダシップはシアリスより安いのですが、以上のことを考えると危険が大きいです。たとえ医療機関の処方であろうと偽物である可能性は否定できないですから、日本国内での入手は避けた方がよいでしょう。

特許期間中のシアリスに海外製のジェネリック医薬品が存在する理由

2003年に発売されたシアリスは、まだ国際特許の有効期間中であるため、本当なら世界のどこにもジェネリック医薬品が存在することはありません。しかし、インドの製薬会社からはすでにジェネリック医薬品が何種類も販売されています。インターネット上で見かけるシアリスジェネリックは、すべてこれらインドの製薬会社による製造です。「タダシップ」「タダリス」「タダリフト」「エレクタリス」「メガリス」といったところが、そのおもだったところです。

では、国際特許があるのに、なぜインドからこんなにたくさんのシアリスのジェネリック医薬品が販売されているのかですが、インドの特許法が国際特許と異なることに理由があります。インドでは、2005年に現行の特許法に改められるまで、物質特許が認められていませんでした。2005年から物質特許を定めた現行の特許法が施行されましたが、それ以前からすでに販売されていたジェネリック医薬品に関しては、例外が認められています。そのため、今もインド製のシアリスのジェネリック医薬品がインターネット上に多数出回っているのです。

日本には、海外製のシアリスジェネリックを輸入する正規のルートは存在しません。医療機関のなかには、「当院では正規の手続きを経て海外製品を輸入しています」などと謳って、シアリスジェネリックを処方しているところもあるようですが、すべて嘘だと思った方がよいでしょう。だいたいそんなジェネリック医薬品を正規に輸入するルートがあるなら、特許法の存在する意味がありません。海外から医薬品を処方目的で輸入することはあるにはあるのですが、それは、治療上の緊急性が高いことと、代替治療薬が国内にないことといった条件に限ってのことです。ED治療に緊急性はなく、代替治療薬どころかシアリスそのものが日本には流通しているわけですから、海外製のシアリスジェネリックを正規に輸入するということなどあり得ないのです。

海外製のシアリスジェネリックを服用したことで重篤な副作用が出たとしても、公的機関から援助は受けられません。国内で正規に流通するシアリス以外には、手を出さないようにしましょう。

シアリスのジェネリック医薬品はいつ登場するのか

バイアグラより持続期間が長いことで人気の高いシアリスですが、その価格の高さからジェネリック医薬品の登場を待ち望んでいる人も多いです。2014年にバイアグラの特許が切れ、その主成分シルデナフィルを使用した、バイアグラと同じ効果が期待できるジェネリック医薬品が各製薬会社からいくつも登場しました。もともとバイアグラより処方価格の高かったシアリスですが、バイアグラのジェネリック医薬品が安価で手に入る現状にあって、ますます高額な印象が強くなっています。

しかし、シアリスのジェネリック医薬品が登場するためには、製造元のイーライリリー・アンド・カンパニーが所有する物質特許と用途特許の2つが期間満了とならなければなりません。もしくは、何らかの事情で特許が無効になるかですが、いずれにせよ、シアリスのジェネリック医薬品が登場する気配は今のところありません。

また、シアリスの特許が切れた時、どの製薬会社がジェネリック医薬品を発売するのかということも気になりますが、これも想像の域を出ません。ただ、バイアグラのジェネリック医薬品であるシルデナフィル錠を販売するキッセイ薬品、東和薬品、富士化学工業、武田テバなどが、シアリスについてもジェネリック医薬品を検討していることは大いにあり得ます。

それでは、シアリスの特許がいつ切れるのかですが、残念ながらシアリスの製造元・日本イーライリリーや発売元・日本新薬は、特許が満了する期限を明かしていません。ただ、特許庁が公開する情報から、シアリスの特許出願時期が2000年4月と推測できますから、特許期間を20年と考えると、2020年頃という予想が立ちます。もう少し早くジェネリックが登場するのではという情報も業界内では囁かれているようですから、遅くともここ数年内には登場するでしょう。

結論としては、2016年5月現在、日本国内にシアリスのジェネリック医薬品は存在しないということになります。海外製のシアリスのジェネリック医薬品が、インターネット上に多数出回っていますが、偽物も多数あるので避けた方がよいでしょう。

バイアグラ、レビトラ、シアリスにおける効果が表れ始めるまでの時間差

ED治療の代表的な治療薬を3つ挙げるなら、バイアグラ、レビトラ、シアリスとなることに誰も異論はないでしょう。このなかではシアリスが最も新しい治療薬で、効果が持続する時間も先行の二つに比べ非常に長くなっています。効果の持続時間に違いがあるということは、もちろん効果が表れ始めるまでの時間にも違いがあります。

バイアグラとレビトラは、空腹時に服用すると、およそ20分から1時間前後で効果が表れ始めます。一方のシアリスは、効果が表れるまでに1~3時間ほどかかります。これだけの差があるわけですから、他の薬からシアリスに替えた際は、服用のタイミングに注意が必要です。もっとも、シアリスの効果が持続する時間は、24~36時間と非常に長いですから、セックスの予定がある日の朝に服用すれば問題ありません。

これら3種の薬剤が溶解するまでの具体的な経緯ですが、まず、バイアグラとレビトラは、18℃の水に浸すと90秒程度で薬剤の表面を覆っているコーティング剤が剥がれ始めます。2~3分後には水が中に浸透して、完全に成分が溶け出します。「噛み砕いて飲んだ方が効き目が早く表れるのではないか」と考える人もしばしばいますが、18℃の水より溶解力の高い胃液の中であれば、そのまま飲みこんでもすぐに成分が浸透します。噛み砕いても苦い思いをするぐらいで特に変化はないので、そのまま服用するのがいちばんです。

シアリスの場合、同じ18℃の水に浸すという条件では、外側の黄色いコーティング剤が溶けて、中身の成分が水に溶け出すまで6~10分程かかります。シアリスならば、噛み砕いて飲み込むことで、数分程度ながら効き目が表れるのを早めることが可能です。ただ、前述したように、シアリスは、バイアグラとレビトラよりも効果が表れ始めるまでに時間がかかります。つまり、即効性を求めるならば、シアリスよりバイアグラやレビトラを選んだ方がよいということです。ただし、健康上の理由など、シアリスしか服用できないという方もいらっしゃるでしょうから、上記のことを参考にしてください。

シアリスの使用期限の目安と安全に保管する方法

シアリスの使用期限はおよそ2年です。ただ、製造から2年であって、処方から2年ではないことには注意が必要です。ED治療の専門クリニックなどでは頻繁にシアリスを入荷しているので、処方された薬は製造されて間がないものと考えられますが、ED治療を専門としない医療機関では在庫として長期間眠っていた薬という可能性もあります。一般の医療機関では、それほど頻繁にEDの診察が行われるわけではないので、場合によっては、処方から1年以下で使用期限を迎えるということもあり得ます。

薬の使用期限は、処方する側しか把握していないことがふつうですから、気になる場合は、必ず処方された際に尋ねるようにしましょう。正規品のシアリスであれば、箱に使用期限が明記されていますが、医療機関によっては箱では処方しないというルールのところもあります。薬のシートに使用期限は記されていないので、箱から取り出すと後から確認する方法がありません。処方された際に使用期限を聞いてメモしておくことを心がけましょう。

シアリスは、PTP 包装シートというプラスチックとアルミでできた1錠ずつ切り離せるシートに入っています。このシートから取り出すと、薬剤が空気と触れてしまうので、使用期限は通常より短くなってしまいます。しかし、直射日光と高温多湿を避け、衛生的な容器に密閉保管すれば、製造から1年は問題なく使用できます。基本はPTP包装シートのまま保管した方がよいのですが、容器に移し替える際は、空気との接触と遊びの空間を減らすため、容器の隙間にティッシュや脱脂綿などを詰めておきましょう。

また、シアリスをカッターなどで半分にカットして使用するという場合もありますが、カットした欠片は使用期限がかなり短くなります。薬剤は、表面のコーティング剤で中の成分が保護されていますが、カットすると中身が直接空気と触れてしまいます。使用期限はせいぜい1~2週間と心得て、いつカットしたかわからないものについては、安全のため飲まずに廃棄してください。

シアリスとの併用を特に注意すべき薬剤の種類

シアリスには、併用禁忌とまでいかなくとも特に注意すべき薬剤がいくつかあります。シアリスの主成分であるタダラフィルは、肝臓でおもに代謝されますが、肝臓にはCYP3A4というタダラフィルの代謝に不可欠な酵素が存在します。したがって、この酵素を阻害したり誘導したりする作用のある薬剤を服用している人は、特に注意が必要です。

CYP3A4という酵素を阻害する薬剤とシアリスを併用すると、成分の血中濃度が上昇し、薬の効果が強く出過ぎたり、代謝が十分に行えずに成分が体内に残り副作用が出やすくなったりといったことが考えられます。逆にCYP3A4を誘導する薬剤の場合、代謝が速くなって薬の効果が出なかったり、効果が出ても作用する時間が短くなったりすることがあります。また、血管を拡張する作用のあるシアリスですから、降圧剤を一緒に服用すると、血圧が下がり過ぎる危険性があります。併用を注意すべき具体的な薬剤については、以下に詳細を記します。

まず、ケトコナゾールなどのCYP3A4 阻害剤があります。シアリスとの併用により、タダラフィルの血漿中濃度が急激に上昇する恐れがあるので、服用量や服用の間隔には十分な考慮が必要です。また、リトナビルなどのHIVプロテアーゼ阻害剤も注意です。これも、シアリスとの併用で、タダラフィルの血漿中濃度が急激に上昇する可能性があります。逆に誘導剤では、リファンピシンなどのCYP3A4誘導剤などをシアリスと併用すると、タダラフィルの血漿中濃度が急激に低下する可能性があります。

α遮断剤にも注意が必要です。α遮断剤のなかでも薬剤の種類によって、シアリスとの併用で血圧に及ぶ影響の程度が異なります。血圧降下や失神などの症状が出たという報告もあるので、α遮断剤の種類を医師に確認し、シアリスとの併用が可能か相談することは必須です。

急性心不全の治療薬であるカルペリチドも併用注意の薬剤です。この薬剤には血管を弛緩させる作用がありますが、シアリスにも同じく血管弛緩作用があります。相互作用に関する十分な臨床データはないものの、併用によって血圧が急激に下がる危険性はあるので注意は欠かせません。